法南寺(大島)

法南寺は中世、村上水軍が活躍していた頃、現在の寺の前方にある「かんじ山」に建っていた。村上水軍勝祈祈願の寺だった。しかし火災で消失、現在の地に建立された。

しまなみ海道・大島の法南寺
しまなみ海道・大島の法南寺

そのため中興(ちゅうこう)開基(かいき)初代とし、現在の西本宥法住職で21代目、約400年続いている。
(※中興=1度途絶えていた物を復興させるという意味。開基=寺を建立した者。)

 

約170前には、石鎚山上にある石鎚神社をまつる別当寺(べっとうじ)をめぐり、前神寺と横峰寺との紛争を仲裁し、円満解決したとして『院憲の号』を称することの許可を得た。
(※院憲の号=その寺の住職は、将軍の前にて「半畳目礼」といって、三尺前で目礼をすることが許された高い格式のこと)

 

現代においては、折鶴のお寺としても親しまれていて、寺内にある庫裡(くり)(僧侶の住まい)には1枚の紙から作られた百鶴(ひゃくかく=百羽の鶴)や連鶴(連なった鶴)など、珍しい作品が展示されている。

 

折鶴名人の星加清さんが、法南寺に奉納したものなのだそうだ。「これが1枚の紙で?」と疑いたくなるほど精巧! そして美しい!凛とした強さも感じられる! まるでマジックのようだ。「どこがどうなって繋がっているんだろう…」真剣に見てもまったく分からない。

 

サイクリングの途中、ぜひ立ち寄って連鶴を見てみて欲しい。奥様のご都合がよければ、2羽の鶴が連なった折り方も教えてくださるそうだ。(所要時間15分~20分)

 

鶴を折るだけで、なんだがご利益が頂けそうな気がしてくるから不思議だ。鶴は万葉の昔から、日本人の心のシンボルとして愛でられてきた。願いこめて作った鶴をぜひ大島の空に飛ばしてみては? 気持ちがスッキリするかも。

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Profile

宇都宮一成うつのみやかずなり

自転車好きが高じて10年かけて夫婦でタンデム自転車による世界一周を敢行。88カ国を巡った。帰国後、NPO法人シクロツーリズムしまなみでポタリングガイドとして島走中。しまなみ海道の魅力再発見のため島々をすみからすみまで走る回る毎日を過ごしている。

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