芋地蔵(大三島)

潮音山向雲寺にある芋地蔵さんは、薩摩から門外不出の種イモを大三島の地にを持ち帰った下見吉十郎(あさみきちじゅうろう)さんをおまつりしたものだ。その両手には、かわいらしい芋が握られている。

芋地蔵(大三島)
芋地蔵(大三島)

吉十郎さん(1673-1755)が命がけで持ち帰った種イモのおかげで、島の人々は暮らしが豊かになり、飢饉からも救われたそうだ。

 

毎年秋には、芋地蔵さんの供養があり、お稚児行列などもとりおこなわれる。地元住民でつくる保存会の方々がお世話をされているそうだ。

下見吉十郎さんの像

芋地蔵さんに静かに手を合わせた。普段、食べ物を粗末にしていないか…自然と自分に問いかけていた。胸が痛い…。賞味期限の切れた食品が冷蔵庫に眠っている。日々食べられることのありがたさを、改めて胸に刻まなければ…。

 

「一生食うには困らない…」という言葉があるが、私は時に、「食う=経済力に左右されること」と履き違えていたように思う。でも、質素な食卓であるとか、豪華なレストランであるとかは関係ないのだ。日々食べられることに感謝の念を持つということが、食うに困らない、ということではないか…。要は、心のありようなのだ、そう芋地蔵さんが教えてくれたような気がする。だからもう私は一生食うには困らない?

 

下見吉十郎さん由来の大三島の銘菓

大三島ボッコ製菓「芋吉」
大三島ボッコ製菓「芋吉」

大三島ボッコ製菓さんの「芋吉」をいただきました。「大三島にさつま芋を伝えて飢饉から救った下見吉十郎。彼を祀った地蔵が今も上浦町に伝わる。その吉十郎にちなんで創られた銘菓です。さつま芋よりもおいしいこの芋吉は、最も人気の高いお菓子です。」と紹介されています。さつまいもをメインにニッキ(シナモン)の効いたボッコ製菓さんの傑作です。島イチゴどら焼きに並ぶ人気となっています。

 

しまなみ海道、大三島の芋地蔵
芋地蔵
住所愛媛県今治市上浦町瀬戸 1754 (潮音山向雲寺内)
電話0897-87-2165

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宇都宮一成うつのみやかずなり

自転車好きが高じて10年かけて夫婦でタンデム自転車による世界一周を敢行。88カ国を巡った。帰国後、NPO法人シクロツーリズムしまなみでポタリングガイドとして島走中。しまなみ海道の魅力再発見のため島々をすみからすみまで走る回る毎日を過ごしている。

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