岩城島サイクリング

青いレモンの島をポタリング

今治からしまなみ海道で4つ目の生口島、そのすぐ南側にある岩城島。住所は愛媛県上島町。
面積およそ9㎢、人口は2200人のこの小さな島は、”青いレモンの島”で知られる国産レモンの名産地でもある。

岩城島をサイクリング
レモン畑を横目に岩城島をサイクリング

そのレモン畑を横目に、瀬戸内海に浮かぶ島々と青い海を眺めながら自転車でポタリングするのがピッタリの島なのだ。

 

岩城島でランチ、そして午後のポタリング

まずは、「でべそおばちゃんの店」で、島の名物『レモン懐石』に舌鼓。そして、午後の陽だまりの中、岩城島ポタリングのスタート。”でべそおばちゃん”もお勧めの、「舟形ウバメガシ」を目指して急坂を上って祥雲寺へ。正面から木の床をつたい、裏手にまわると・・・飛び込んでくるこの絶景。樹齢600年、古木の緑のじゅうたんが広がる。じゅうたんの上にダイブして、遠景として広がる瀬戸内海を眺めながら、ぼーっとしたい気持ちにかられる。

祥雲寺、古木の緑のじゅうたんが広がる

そんな衝動をおさえ、サドルにまたがる。
「レモンの散歩道」という標識が見え、誘われるように小道に入っていく。路地のレモンもたわわに実をつけていた。島にはたくさんの農道があって、レモン畑の中をサイクリングできる。レモンの花咲く時期はまた格別だろう。

 

「レモンの散歩道」を抜けると海岸線に。対岸に見えるのは生口島。穏やかな瀬戸内の海とまばゆい光がきらめいている。「しまなみのおへそ・岩城島」は四方を島に囲まれていて、瀬戸内海が川のように見える。四季折々に表情を変える山を愛でながら、海の景色を堪能できる贅沢なサイクリングコースだ。

 

レモンポークの松浦養豚場

途中、松浦養豚場に立ち寄った。
「青いレモンの島」で育てられている豚たちは、レモンの恩恵に預かっている。レモンの搾りかすをパンなどの飼料に混ぜて食べさせてもらっているのだ。

松浦養豚場ではレモンの搾りかすを餌に
松浦養豚場ではレモンの搾りかすを餌に

ここで育った豚たちは、その名も「レモンポーク」。食物繊維やビタミンがたっぷりのレモンは、豚の健康上にも良好だという。それに、レモンの搾りかすは破棄されるはずのものを活用するアイデア。実は豚たちの飼料になっているパンも、パン工場で破棄されるものを活用しているそうだ。人の営みに「無駄」はあるが、ここで垣間見たのは「プラス」の側面。そして、愛情込めて育てた豚・命をいただくという教え。ふと立ち寄った島の養豚場には、たくさんのメッセージがあった。何はともあれ、このレモンポーク、岩城の名産になる予感。

 

造船所の真横を通り、透き通るほどの波打ち際の道を走り、農道や昔ながらの生活が息づく路地裏へといざなわれながら岩城島を一周。

 

民宿「よし正」の砂川さんの案内で

民宿「よし正」の砂川さんが本日のガイド
民宿「よし正」の砂川さんが本日のガイド

今日のポタリングガイドは、島で民宿「よし正」を営む砂川温尋さん。とっても気さくな人柄で、行く先々で思い出話を交えながら案内してくださった。おかげで岩城島がぐっと身近に感じてきた。何だかお友達のように頼れる存在だった。

 

温尋さんのお母さんがこれまた底抜けに明るい人。今回、お会いできなかったが、パラグライダーを60歳で始めたつわもののお父さん、もうすぐ3人目の赤ちゃんが産まれる奥様にもお会いしたいな。また、岩城に遊びに来ます。

2010年2月

 

<航路>
・生口島⇔岩城島 ¥285(人+自転車) およそ30分毎に船便あり
・今治港⇔岩城島 ¥1850(人+自転車) およそ90~120分毎に船便あり

 

岩城島一周 (舗装路。一部起伏あり) 距離12~13km/所要60~100分

 

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Profile

宇都宮一成うつのみやかずなり

自転車好きが高じて10年かけて夫婦でタンデム自転車による世界一周を敢行。88カ国を巡った。帰国後、NPO法人シクロツーリズムしまなみでポタリングガイドとして島走中。しまなみ海道の魅力再発見のため島々をすみからすみまで走る回る毎日を過ごしている。

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