6人のシクロ・ツーリスト
しまなみ海道の各地に6種類ある人型のサイクルスタンドは、自転車のまち・今治を彩る「サイクルスタンド・デザインコンテスト(2012)」一台駐輪部門で、最優秀賞を受賞した作品 “6人のシクロ・ツーリスト” を製品化したものです。
※上の写真をクリックすると、各サイクルスタンドの詳細ページへと飛びます。
自転車の聖地“しまなみ海道”。その袂である今治の風景にマッチするサイクルスタンドに愛車を停めて、そのかたわらから始まる交流、そして思い出作り。そんなシーンを演出してくれるデザインが立体となり、今ここでサイクリストのみなさんをお出迎えしています。
自転車に乗ったり、停めたりしている瞬間の姿をリアルに再現した“6人のシクロ・ツーリスト”たち。6体のフォルムはひとつひとつ異なり、自転車のホールドの仕方も違います。設置場所は大三島、伯方島、大島に各1体ずつ、そして今治市内に3体。
2016年には「第50回 日本サインデザイン賞(公益社団法人 日本サインデザイン協会)優秀賞」も受賞。風景とのハーモニー、交流の創出性、時代性を超える美しさが高く評価されました。
設置場所を巡り「どうやって停めるのだろう?」と楽しんでみてください。素敵な写真スポットで待ち受けるサイクルスタンドが、しまなみ海道の旅を盛り上げてくれるはずです!
6人のシクロ・ツーリストの設置場所
サイクルスタンドデザインコンテスト(2012)
島々が織りなす多島美に橋梁の人工美を融合させた、見事なコントラスト。平成11年「瀬戸内しまなみ海道」の開通は、国内の人流・物流の大動脈である瀬戸内海の役割を大きく変えるとともに、古から絶賛されてきた風景美にも、変化をもたらしました。新たな瀬戸内の美しさを、橋の上から自転車目線で楽しむことができる「瀬戸内しまなみ海道」は、開通から10年を経過した今、全世界のサイクリストが「一度は走ってみたい道」と羨望するものとなりました。健康にいい、環境に優しいという二大効用に後押しされるサイクリングムーブメントに乗り、「マイ自転車」を抱えて、海道のたもとのまち・今治市を訪れてくれるサイクリストが急増。「サイクリングの聖地」との呼び声も聞こえてきます。
このコンテストは、そんな今治市のまちの風景にマッチする「サイクルスタンド」のデザインを募るものとして開催しました。愛車を停めて傍らではじまる交流、そして思い出づくり。そんなシーンで活躍するデザインのコンペティションとして企画。趣旨に五山同いただいた今治市に縁のある著名なアーティスト、サイクリストの方々に審査委員としてご協力いただける幸運に恵まれる中、作品公募に入りました。提案書による一時審査、公開プレゼンテーションによる2次審査を経て、最優秀賞に選ばれた作品は、今治市のまちに実際に設置するという具体性もあり、想像を超える多くの作品が寄せられました。「サイクルスタンド」という一つのテーマの提示に、まちの風景、そして歩みをご理解いただいた力作が次々と届きました。
応募総数は129作品。見事、トップに輝いた最優秀賞2作品は、今、設置へ向け、動き始めています。
2012年12月
今治市中心地再生協議会サイクル部会
[テーマ] | サイクルスタンド「1台駐輪部門」「大型駐輪部門」 |
---|---|
[募集] | 平成24年5月1日(火)~6月15日(金) |
[資格] | 1.個人またはグループ。ただし、応募者につき「1台駐輪部門」「大型駐輪部門」各1点。計2点まで。 2.年齢、性別、国籍不問。 3.作品は国内外未発表のものであること。 |
[賞] | 最優秀床「1台駐輪部門」「大型駐輪部門」各1点。計2点。 伊東豊雄賞 1点 MAYAMAXX賞 1点 |
最優秀賞【一台駐輪部門】6人のシクロ・ツーリスト
6人のシクロ・ツーリスト
馬場 俊一
[選考理由]
この作品は、しまなみ海道の夕景のなかに浮かび上がるシルエットというようにビジュアルイメージが浮かびやすかった。このスタンドによってしまなみは自転車の聖地であると強くアピールもできる。設置場所はおそらくサイクリストが列をなすような、そんな名所になるのではないだろうか。駐輪方法を考えさせるという提案であったが、どこかに図解を記しておくことが必要だろう。
[受賞者ひとこと]
このサイクルスタンドは人が自転車にのったり停めたりしている瞬間の姿を現しています。初めて見る人には使い方がわかりにくいかもしれませんが、どうやって停めるか、それを考えることで逆に停めたくなるのではないかと考えました。1体ずつ各島におけば、サイクリストの格好の目標地点になります。私自身も自転車がとても好きで、その気持ちをデザインに込めました。現在鎌倉に住んでおり、海とサイクリストには日常的に接しています。「6人のシクロ・ツーリスト」は、海とサイクリストの風景を切りとった形なのです。ぜひ、6種類全部作っていただき、各島に設置していただきたいですね。その折りには自分の子ども達を連れて訪れたいと思います。
最優秀賞【大型駐輪部門】Break Stand
Break Stand
江澤 茂
[選考理由]
大型駐輪部門での応募作品がどれも決め手を欠く中、一台駐輪部門での応募であった「Break Stand」を大型駐輪部門での最優秀賞に選んだ。自転車と一緒にくつろげる、円形に配置することでコミュニケーションの場になれるという点を評価した。しまなみ海道には海外からのサイクリストも多い。「Break Stand」があることで、人々の交流が深まることだろう。
[受賞者ひとこと]
風景を楽しんだり、複数台設置することでコミュニケーションを図ったりできるスタンドを考案してみました。愛車とともに小休止するという意味を込めてネーミングしています。モチーフは、今治の主産業のひとつである今治タオルが、瀬戸内海の風にたなびく様子をイメージしました。公開審査の段階で、一台なのか大型なのかはっきりしないという意見が出たときは、正直ダメだとあきらめていました。思いがけない結果で驚いています。とてもうれしい。私もサイクリングとまではいかないまでもポタリングをするなど自転車には親しんでいます。設置されたら、自転車で訪れようと思います。
伊東豊雄賞 uzusio stand
uzusio stand
長塚 幸助
[受賞者ひとこと]
サイクルスタンドで人が出会い、そこから旅立っていくという人の収束と発散を渦潮からイメージ。またスタンドを介してツーリストたちが集い、つながるきっかけとなる出会いの渦を発生させたいという思いを込めました。らせん状に駐輪することで街中に渦潮の風景を描きます。中心にテーブルを配することで交流・休憩の場も作りました。公開審査中、ひとことも話題にならなかったので受賞はあきらめていました。また、他の方と着眼点が違っていて、コンペティションの目的を間違えたのかと不安でした。受賞は今後の励みになりますね。いい機会を与えてもらって感謝しています。
MAYAMAXX賞 しまなみの海と波と船と
しまなみの海と波と船と
高山 花菜
[受賞者ひとこと]
留学先で図書館の門が自然発生的に駐輪に利用されていた光景が記憶に残っていて、それをベースにしてデザインしてみました。波の上に船が浮かんでおり、その波間に自転車を置くというイメージです。十分に幅をとることでトラブルを避けます。スポーツバイクだけでなく、ママチャリも子ども用自転車も停められるというのがポイントです。最終選考に残ったのが、今治市内からは私だけだったのでびっくりしました。しかも建築デザインなどの本職の方ばかりで緊張しました。でもデザインすることは大好きなので、とても楽しんでできました。MAYAMAXX賞をもらえてよかったです。
最終審査選考作品
サイクルスタンドの設置
「6人のシクロ・ツーリスト」は2014年から2016年にかけて、今治市陸地部、島しょ部の各地に設置をすすめ、しまなみ海道サイクリングの回遊を促進する仕組みとなっています。「Break Stand」は移動可能なサイクルスタンドとして、各種イベント等で活用しています。
NEWS
しまなみ海道の人型サイクルスタンド「6人のシクロ・ツーリスト」の姉妹スタンドが、神奈川県横須賀市に誕生しました。ヴェルニー公園と三笠公園に開国と近代化の歴史をテーマにしたデザインサイクルスタンドが設置されました。“東郷平八郎”と“黒船の操舵輪”がモチーフとのことです。(2019年3月18日)
※横須賀市ホームページより引用
[PR] しまなみゲストハウス「シクロの家」
サイクルオアシス総合拠点となっている今治駅前のゲストハウス「シクロの家」や波方町「なみかた海の交流センター(なみトみなと, シクロカフェ)」では、しまなみ島走Tシャツやサイクリングタオルなどのオリジナルグッズや、しまなみ島走BOOKやMAPといったガイドブック、サイクリングマップなども販売しています。宿泊でない方もお気軽にお立寄りください。