Health Active CyclingLife

自転車健康学講座
自転車健康学教室001 自転車健康学教室002 自転車健康学教室003
自転車健康学講座

太ももや腸腰筋の筋力アップ

 「ロコモ」という言葉を知っていますか。
 ロコモとはロコモティブシンドローム(運動器症候群)の通称で、筋肉や関節、骨などの衰えが原因で、歩いたり立ったり座ったりが困難になる状態のことをいいます。ひどくなると要介護や寝たきりになったりします。
 そんな状態になるのは高齢になってからだから、若いうちは平気でしょ、なんて思っていませんか。
 私たちの体は、脳が体を動かす指令を出し、脊髄や神経がそれを全身の筋肉に伝え、筋肉が関節を動かすという仕組みで自由に運動することができます。この連携が一つでも阻害されると、うまく動かなくなりますが、骨や筋肉は40歳を過ぎたころから衰え始めてしまいます。若いうちから筋肉を鍛えて蓄えておくことが大切なのです。

 太もも(大腿四頭筋、ハムストリング)の筋力アップに効果があるサイクリングは、ロコモ対策にぴったり。同時に、ペダルを漕いで足を引き上げるときの動きは、腸腰筋も鍛えてくれます。腸腰筋は股関節前面の深いところに位置する筋肉で、歩いたり走ったりする際、脚を前に振り出す動作に使われます。また、腰を安定させるということにおいても重要な筋肉のひとつです。
 サイクリングは、太もも(大腿四頭筋、ハムストリング)と腸腰筋をいっぺんに鍛えることができる、一挙両得な運動なのです。

大腿四頭筋、腸腰筋はここ

 実際、しまなみアウトドアフィットネスプロジェクト「自転車に乗って健康になろう!」の参加者の約8割に、サイクリングによる筋力アップ効果がみられました(グラフ1参照)。
 また、新体力テストの急歩(男子1500m、女子1000mを急いで歩いて何分かかるかを測定)、約9割の人が参加前より参加後のほうがよい記録となりました(グラフ2参照)。立ち幅跳びでも効果が表れているのは、太もも(大腿四頭筋、ハムストリング)や腸腰筋が鍛えられたおかげでしょう。
 また、グリップを握ることで、握力がアップした人も7割以上になりました。

 でも、自転車を漕ぐと足が太くなりそう?
 その心配は無用です。通常のサイクリングや日常で乗る程度では、筋力アップはしても競輪選手のような太ももになることはありません。どんどんペダルを漕いで、太ももの筋肉や腸腰筋をしっかり鍛えましょう。

7〜8割の人が大腿四頭筋、腸腰筋に効果あり! ほとんどの人が歩くスピードがアップ! さらに握力もアップ