ふだんの過ごし方は？

　食品メーカーの品質保証部門で、使用する原料の安全性チェックする仕事をしています。1日中座り続けるデスクワークなので、運動不足は痛感していました。
　そんなこともあって、30代後半からフルマラソンへの挑戦を始めたんです。中学時代は吹奏楽部で、高校は弓道部に所属していましたが幽霊部員でしたから、運動らしい運動はしたことはありませんでしたね。
　ですから、マラソンが人生で初めての本格的なスポーツ体験です。会社にトライアスロン部があるのですが、そこに所属する選手たちと一緒に走ったりもしています。といってもアスリートではないんですよ。完走するのに5時間以上はかかりますから。
　はじめはなかなか完走することはできなかったんですが、２、３年前くらいからゴールできるようになりました。

自転車を始めたきっかけは？

　私の住んでいる今治は"自転車のまち"ですし、しまなみ海道もあってスポーツバイクに乗る人を以前からよく見かけていました。でも、スポーツバイクに乗ってみたいという気持ちはそれほど強くはなかったんです。
　自転車を使った健康増進プログラムに参加したのが、自転車に乗るようになったきっかけですが、これも自転車に乗りたいというより、人とのつながりをもっと広げたいという気持ちからでした。会社勤めも長くなり、ただ会社と家を往復する毎日で、自分の世界の広がりが感じられなくなってしまっていたのです。
　大学生のころはサークルだったりバイト先だったり、いろいろな人との出会いがあったのに、今は会社だけ。外につながりが欲しくて、なにか習い事でも始めようかなと思っていたときに、会社からプログラムがあることを案内されたんです。もしかしたらこれは新しいネットワークが作れるいい機会かもしれないと思って、参加することにしました。
　参加してみたら、お友だちもできたし、プログラムで知り合った人たちと今度自転車でどこ行こうか？なんて話もしていて、参加してよかったと思っています。

自転車への興味は？

　マラソン仲間に自転車に乗っている人がいて、トライアスロンしている人はもちろん自転車に乗りますし、そういう人たちから「スポーツバイクはママチャリとは全然違うよ」と言われてきたんです。それでも、私は今までママチャリしか乗ったことがなくて、そんなことを聞かされても、「いやいや、しょせん自転車やろ」くらいにしか思ってなかったんですよ。
　でも、参加したプログラムで初めてスポーツバイクに乗ってみて、もうびっくりしました。「ええっ?!　こんなに違うものなの？」って（笑）。
　長く乗っていてもしんどくないですし、ぐいぐい進んでいきますよね。坂道を上っていても全然苦にならない。ママチャリとは全然違う乗り物なんだとわかりました。ママチャリのしんどさ、イヤだなと思う点がスポーツバイクにはないんですね。みんなの言っていたことは本当だったんだと、つくづく思いましたね。

自転車に乗り始めて体調の変化などは？

　今年の夏、暑かったですよね。でも、全然夏バテしなかったんですよ。最初は今年の夏はいつもと違って過ごしやすいなあと思っていたんですが、まわりのみんなは「暑い、暑い」というし、ニュースでも猛暑だと報道している。でも私、平気なんですよ。あ、これは私の体調が変化したんだなと気づきました。
　例年だと本当に夏バテがひどくて、食欲が落ちてしまってむりやり食べている状態だし、眠れないという日が続くんです。体に熱がこもってしまっている感覚があって、調子悪いんです。でも、今年はちゃんと食べられたし眠れた。今年は自転車に乗って体を動かしていたから、体内にこもる熱が発散でき、不調に陥らずに済んだのだと思います。
　自転車に乗り始めてたった３ヵ月なのに、この体調の変化には本当に驚きました。

自転車にはいつ乗っている？

　プログラムに参加する以前も毎朝20〜30分走っていたんですが、その時間をごっそり自転車にあてています。自転車で通勤することも考えたんですが、今はまだ車です。週末はちょっと長めに乗っています。
　今まではプログラム参加者にレンタルされるスポーツバイクに乗っていたのですが、自転車の魅力に目覚めたので、ロードバイクを買ってしまいました。マイバイクになったので、もっともっと自転車に乗る時間を増やしていこうと思っています。

自転車の魅力とは？

　風を切って走るのが、何より気持ちいいですね。車だと通り過ぎるスピードが速すぎて気づけなかったものや、今まで見過ごしてしまっていたものにも、自転車の速度や機敏性のおかげで気づけるというのもいいなと思います。
　マイバイクも購入したことですし、今後はいろいろなツアーに参加して、いろいろな景色を見て、たくさんの発見を楽しんで、自分の世界をどんどん広げていきたいなと思っています。