第6回タンデム自転車まつり<報告>

第6回タンデム自転車まつり

毎年3月に開催している「タンデム自転車まつり」も開催6回目を迎えました。
第3回目からはチャーター船を活用して、瀬戸内海をダイナミックに味わうコース設定で、参加者のみなさんからも「まだ行ったことのない場所がたくさんあることに気付く」と好評価を受けています。

 

今年は、1日目に愛媛県陸地部「たかなわ海道(松山~今治)」を、2日目は船を利用して広島県陸地部「さざなみ海道」でツアーコースを構築。立ち寄り先も地元色を感じられるお店を厳選するなど、遠方からのリピーターにも配慮したコース内容としました。

 

<3月19日(土)1日目>

第6回タンデム自転車まつり
第6回タンデム自転車まつり

■12:00 松山市内

やや小雨模様。午後から天候回復の予報を期待して、関東、中部、東海、関西などから、大人23名、小学生2名、幼児3名が集合。内、視覚障がい2名、聴覚障がい1名の参加もあり。視覚障がいの2名はパイロット役を伴なえず、今回はシクロスタッフ2名がその役を引き受けた。なお、リピーター率は93%。  継続開催を続けて、「3月には、タンデムまつりで今治へ」と、足を運んでくれるファンが増えた結果といえよう。

第6回タンデム自転車まつり

12:30石手川沿いの小路

JR松山駅前から市内の三番町通りを抜けて、石手川沿いの小路へ。途中、松山城を仰ぎ見て、歓楽街の匂いをかぎながらの走行を楽しむ。途中、旧街道沿いには古い商家も残り、「いいまちなみですね~」と、霧雨の舞うも和やかなムードでペダリングが続く。

第6回タンデム自転車まつり

13:30 松山市動物愛護センター

石手川ダムへ向けては交通量の多い国道を避けて、竹藪の中の林道ルートを2km登坂。ダムまで登るとひと段落。ダム湖畔も国道の対岸にある裏道を走行。霧に煙る湖面を眺めながら、小刻みに起伏する道のりを力強く前進。国道に合流後、水ケ峠へ向けてのラストスパート前に、ドーナツとコーヒーの差し入れでカロリーチャージ!

第6回タンデム自転車まつり

14:40 玉川ダム湖 

水ケ峠(460m)を全員無事にクリアー!トリプレットのファミリーも、60代のご夫妻もみんな良く頑張り、参加者の間に一体感が広がる。その後、2.8kmの長いトンネルを抜けると、今治市内までは下り基調の道のり。「水がきれいですね!」と声がするほど、蒼社川上流の渓谷の流れに目を奪われながら、玉川ダム湖へ。ボートの練習風景を見ながら、湖畔の道をたどる。

第6回タンデム自転車まつり

■16:00 武田屋 八幡饅頭


河岸段丘に広がる田園風景の中を抜けて、市街地の手前で今治の老舗和菓子店「武田屋 八幡饅頭」に立ち寄り。保温した温かいお饅頭を提供してもらい、その心遣いが心にしみた。「黒砂糖が効いて美味しい!」とお土産に購入する人が続出。お店の方も「どちらからいらしたの?」、「お子さんお幾つ?」と交流を楽しんでいた。

第6回タンデム自転車まつり

■17:20 今治駅前ゲストハウス「シクロの家」着 

走行距離49km。雨、峠道、交通量のトリプル苦難を乗り越えて、無事にゴール。「峠越えはちょっと面白いコースですね!とっても変化に富んでいて、私のように視力がない者でもその違いを判断できるほど変化に富んでいて、とても気に入ったコースでした!」と、視覚障がいのある参加者から感想をもらった。

第6回タンデム自転車まつり

■19:30 交流会

市内の「つぼ吉」に集合して交流会。地図を広げて明日のコースの確認。また、来年の希望コースや抱負なども話し合った。「とびしま海道へもう一度行ってみたい」、「まだ行ったことのない離島ありませんか?」と、参加者の期待の高さがうかがえた。第7回も開催決定です。

 

<3月20日(日)2日目>

第6回タンデム自転車まつり
第6回タンデム自転車まつり

■8:00 今治港

昨日とはうって変わって大快晴。3月にしては風もマイルドで、気温もぽかぽかで自転車日和! 2日目のみの参加者が7名加わり、大人28名、小学生4名、幼児2名。タンデム自転車14台、シングル自転車4台でいざ出発。波も穏やかで、のんびりと島々を眺めながら1時間航行して、広島県呉市の安浦漁港に到着。

第6回タンデム自転車まつり

9:50

安浦漁港で、防波堤に再利用された戦時中建造の”コンクリート船”を見学後、いざ「さざなみ海道」サイクリングスタート。ゆるやかな追い風を背に受けながら、気持ちよく走行。4km弱走って”大芝大橋”入り口で集合写真を撮影。青い空、青い海、ほほをなでる風も心地よし。目の前に大芝島が浮かんで見えている。

第6回タンデム自転車まつり

10:00 大芝島一周

「大芝島一周してみたい!」という要望を受けて、島内一周コースへ。橋を渡り、海沿いの小道をたどる。とにかく車が少なくて、のびりとした佇まいがGOOD! 牡蠣筏、小さな漁港、みかん山、野菜畑と、目を癒される島風景が展開。「やっぱり橋を渡ってみて良かったねー!」という声がもれるほど。「せっかくしまなみに来たんだから、島を1個ぐらい走らなくちゃね」との感想も。

第6回タンデム自転車まつり

11:30 農家レストラン西野

待望のランチは竹原市吉名にある、地元のおばあちゃんたちが経営する農家レストラン。赤土で育つジャガイモがこの地域の名産品。農家で採れたジャガイモを様々にアレンジしたバイキング形式の料理が並ぶ。”じゃがいも巻き”、”カレーころがし””ピリ辛煮”などなど。「た~んと食べんさい」おばあちゃんが皆の席に声をかけて回る。「故郷のおばあちゃん家にきたみたい」と満足度UP。そんな心配りが嬉しかった。

第6回タンデム自転車まつり

■12:40 竹原市内

満腹のお腹をかかえて6km走行し竹原市内へ。安芸の小京都とも呼ばれる、酒蔵の残る古い町並みを散策。「酒クリームはどこで食べれるの?」、「お土産にお酒買おうかな」と、興味津々でまち歩きを楽しむ。近年はアニメ映画「たまゆら」の舞台として有名になり、アニメファンのスタッフの一人が解説を加えて盛り上げてくれた。

第6回タンデム自転車まつり

■14:00 エデンの海

安芸灘を望む風光明美な写真スポットで小休息。リピーターさんも初参加者もすっかり打ち解けて和気あいあいと会話が弾む。子どもたちがお菓子の袋を手に、「はい、どうぞ」と大人の間を回る姿がほほえましい。年齢性別を問わず参加して楽しめる”タンデム自転車まつり”ならではの光景だ。

第6回タンデム自転車まつり

■15:00 三原市須波港

「さざなみ海道」安浦~須波間39kmを無事に走行してゴールの港へ。「海岸線を走ると磯の香りが場所によって異るのが楽しめるし、鉄道が脇を走っているのでより一層気分が盛り上がって良かったですねぇ」と喜ぶリピーターの視覚障がいのある男性。須波港で解散する人たちに見送られて一路今治港へ。

第6回タンデム自転車まつり

■12:30 今治港

港の広場で解散式。2年連続参加の親子のお父さんが、「我が子が毎年どれだけ成長したか見るのが楽しみなので、来年も絶対参加します!」と意思表明。「うちは来年どうなっているか分かりませんが、一緒だったらまた参加します」とおどけるご夫妻。「付け焼刃で乗っても自転車は漕げないですね。来年は鍛錬を積んできます」と足がつってリタイヤしかけたご夫妻。
開催を重ねてコミュニティー形成が進むタンデムまつり。当会の看板ツアーとして、今後も開催を継続して行く必要性を感じた。

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Profile

宇都宮一成うつのみやかずなり

自転車好きが高じて10年かけて夫婦でタンデム自転車による世界一周を敢行。88カ国を巡った。帰国後、NPO法人シクロツーリズムしまなみでポタリングガイドとして島走中。しまなみ海道の魅力再発見のため島々をすみからすみまで走る回る毎日を過ごしている。

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