第8回タンデム自転車まつり<報告>

毎年3月に開催している「タンデム自転車まつり」も開催8回目を迎えました。第3回~7回まではチャーター船を利用して、しまなみ、とびしま、ゆめしま海道の島々をダイナミックに巡ってきました。

 

今回は、これまでに体験していない地元のプログラムを楽しんでみようということで、1日目は今治市内を散走しながら、地元でも有名な「タオル美術館」と「日本食研の庭園」を巡り、2日目は伯方島まで足をのばして、農家のお母さんたちの「畑deカフェ~窯焼きピザ作り~を体験してみることにしました。さあ、今年も豪華2本立てツアーで2日間をエンジョイしますよ!

 

日 時:平成30年3月17日(土)&18日(日)
1日目:シクロの家~朝倉(タオル美術館)~桜井~日本食研~シクロの家
2日目:シクロの家~大島~伯方島(沖浦ビーチ)~大島~シクロの家
距 離:1日目約30km/2日目約65km
参  加:1日目29名/2日目32名

 

<3月17日(土)1日目>

■12:00 今治市内「シクロの家」集合

昨日からの雨も上がり大快晴で迎えた1日目。今回も、関東、中部、東海、関西などから、大人24名、高校生2名、中学生1名、小学生4名、幼児1名が集合。内、視覚障がい1名の参加もあり、そのパイロット役を参加者とスタッフが交代で務めるという形でサポート。リピーター率は81%という、固定ファンの多いのがタンデムまつりの特徴です。

12:20蒼社川沿いの小路

JR今治駅前から市内を抜けて、蒼社川沿いの小路へ。戦後のバラック小屋が今も残る、知られざる今治の秘境を抜け、菜の花の咲き乱れる土手岸を進みます。「まさに、春らんまんですね~」と、和やかなムードでペダリング。

13:00 朝倉 農村エリア

郊外に向かうにつれて、交通量も減り、農村地帯が広がり始める。幹線道を避けて、旧道と裏道を繋ぎながら今治市南部の朝倉へ。畑と田んぼが広がる農村エリアは、走行環境がよくタンデム自転車でも快適に走ることができます。信号が少ないのも走り心地の良さのポイント。地域を熟知したサイクリングガイドによる、十分知識と経験を積重ねたルート選びに、参加者のみんなから感嘆の声も聞かれるほどでした。

13:20 朝倉 タオル美術館 

坂道をゆるゆると登り、標高100mの山肌に開けた「タオル美術館」に到着。各階のタオル販売品やお菓子類のお土産物を物色しながら館内を散策。美術館の有料区間にも数名の方が入館して、展示品を観賞。世界に誇る今治タオルを、タンデム自転車まつりの思い出とともに、お土産にしてもらいたいと企画した訪問先。参加者の満足度もひとしおの様子でした。

■13:40 タオル美術館併設 王府井の肉まん

おやつタイム。併設の中華レストラン「王府井」がイベント時にのみ販売している「肉まん」を今回は特別に36個オーダー。料理長が「当店の自慢の一品です。とにかく大きいです。どうぞ!」と参加者に手渡し。「お肉がたっぷり入ってる!」、「ジューシーでおいしい!」と驚嘆の声をあげながら、みんなで舌鼓。工場生産ではない、一個一個を手作りした本物の肉まんの味を提供できて、満足度はさらにUPするのでした。

■15:00 桜井 綱敷天満神社 梅林見学

朝倉から小一時間。車の少ない裏道をたどり、学問の神様といわれる”菅原道真”ゆかりの天満宮「綱敷天満宮」へ。梅林の見所としても有名で、境内には約千本の梅の木があり、見ごろを迎えるのは2月中旬~3月上旬。やや終わりかけの頃でしたが、まだ十分に見応えのある梅木を見つけて、香りを楽しみ、写真に収めながら観梅。花粉症の人もマスクをはずして、懸命に香りをかぐ姿が印象的でした。

■15:40 富田新港 日本食研 KO宮殿工場

さらに20分ほど、唐小浜、織田ヶ浜と海岸線を通り、日本食研へ。ヨーロッパを代表するベルベデーレ宮殿をモチーフにした宮殿工場の外観を見学。宮殿前の欧州風庭園もこれまた見事で、欧州へトリップした気分を、みんなで味わうことができました。見学のおみやげに「宮殿のタレ」を人数分頂いたので参加者に配布。お土産付きで、みんなの気分と満足度はさらにグ~ンとUP♪

■17:00 今治市内「シクロの家」帰着

30分ほどの道のりをたどり、無事に今治駅前のシクロの家にゴール。初めて参加のカップルも、タンデム自転車の乗り方を会得して、大快晴のもと二輪四脚のサイクリングをエンジョイしてくれた模様です。この呼吸がぴたりと合った走りの楽しさを一人でも多くの方に感じてもらえることができ、とても有意義な1日目となりました。

■19:00 今治市内 交流会

今年は、キスケの湯併設「お食事処 八兵衛」にて開催。キスケの湯入浴付きとなっており、湯上りにそのまま宴会場へ。この直結感はなんとも便利。お任せのコース料理(飲み放題付)大人4,100円。ゆっくりと食事しながら、旅行や自転車のことに話を咲かせ親睦を深めることができました。

 

<3月18日(日)2日目>

■8:00 ゲストハウス「シクロの家」スタート

やや曇りがちの天候ですが、2日目のみの参加者も3名加わり、総勢34名でいざ出発! タンデム自転車13台、シングル自転車4台のチームで今治市内を抜け、大浜の海岸線をたどり来島海峡大橋へ。上り坂はちょっと苦手のタンデム自転車ですが、橋の上まであがると、まるで鳥になったのような、二輪四脚の爽快なペダリングが楽しめます。この息の合った走りが、タンデムの醍醐味のひとつなのです。

■9:40 大島 椋名

橋を渡り、ひとつめの大島に降りて海岸線を走行。2日目の往路、静岡から参加の男性(視覚障がい)のパイロットを務めてくれたのは神奈川からの女性。前乗りに備えて、昨夕から練習を重ねた成果も実り、威風堂々とパイロット役を果たしてくれています。復路は、以前もコンビを組んだことのある当会スタッフがパイロット役を引き受けて要領もバッチリ。一丸となって単独参加の視覚障がい者をサポートしています。

10:00 大島 よしうみバラ公園

大島のよしうみバラ公園で小休憩。昨年の10月に、参加者同士が愛知県に集まって開催した「タンデム自転車サイクリングツアー」の内容のプチ報告会。しまなみでつながった縁を、他地域で発展的に広げた嬉しい報告に一同耳を傾けました。

11:00 大島 田ノ浦峠

大島の難所、田ノ浦峠の登りで奮闘する参加者たち。タンデム自転車は上り坂が苦手。ペダルを踏みしめる二人に、「がんばれー」と、キッズたちの声援が飛び交う風景がなんともほのぼの。タンデム自転車まつりの特徴のひとつは、こうしたキッズが大人と一緒にサイクリングを楽しみ、場を和ませてくれること。毎年、こどもたちの成長を確かめるのが楽しみで参加する親子もいる。タンデムの持つ世界観は素晴らしい!

■11:10 大島 宮窪

起伏にとんだ大島の北側の道。途中でひと休みしていると、みかん摘みをしていたおじいさんが農作業の手をとめて、「みかんもってけ」と寄ってきました。そして、大きな安政柑をコンテナ一杯に摘んで、みんなに配ってくれるではありませんが。「どっから来なさった?…ほう、神奈川から。えらい遠くから来てもろて」。「で、どこまで行きなさる?…伯方島、気を付けて行きんさい」と会話が弾みました。収穫のお手伝いをするキッズたちもキュートでした♪

■12:20 伯方島 沖浦農園

やってきたのは伯方島の沖浦ビーチの近くにある休耕地を利活用した農園。地元の婦人グループが野菜を植え、ピザ窯を設置して「畑deカフェ」を運営している場所です。交流と農業体験が楽しめる、人気の観光資源プログラム。まずは、旬の野菜”ブロッコリー狩り”を体験。「手でつまみながら5~6片を摘み取って。このあとピザに乗せて焼きますからね」と聞いて、皆真剣に採取中。

■12:40 伯方島 沖浦農園

次は、すぐ近くの竹山に移動して、”竹の子堀り”体験。出始めたばかりの竹の子は頭が小さく、地面からわずかにその一端をのぞかせているのみ。なかなか見つけるのが苦労ですが、少しづつ目が慣れ、コツがわかり、次々と発見。「どうやって掘るんですか?」、「周りを掘って、最後に頭の沿った方からクワを入れて切り取るんよ」と教わり、初めて竹の子を掘った人たちは狂喜していました。

■13:00 伯方島 沖浦農園

収穫した食材をトッピングして、窯焼きピザ体験。農家のお母さんたちのアドバイスを受けながら、ピザ生地を伸ばして具材を盛りつけ。窯に入れて待つこと3分。パリッと焼けて、ほんのりと焼き色の付いたピザが登場! その香ばしさに食欲があおられ、かぶりつくとホカホカのおいしさに満面の笑み。手作りのおいしさもさることながら「地元の方との交流がたのしい♪」と喜んでくれています。

■16:00 大島

シクロクルーで滞在中の台湾の陳さんも参加。「しまなみ海道はひとりで走りましたけど、こうしてみんなと一緒に自転車に乘るのもたのしいデス。また機会があったら参加してみたいです」と満足した様子。来年も参加表明してくれるリピーターさんたちも多く、知恵と経験をフル動員して、斬新なコースを来年も提供してみたいと思います。

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Profile

宇都宮一成うつのみやかずなり

自転車好きが高じて10年かけて夫婦でタンデム自転車による世界一周を敢行。88カ国を巡った。帰国後、NPO法人シクロツーリズムしまなみでポタリングガイドとして島走中。しまなみ海道の魅力再発見のため島々をすみからすみまで走る回る毎日を過ごしている。

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