万福寺(大三島)

【しまなみオススメMAP・大三島】しまなみ海道・大三島の外周ルート、島の南西の口総地区にある万福寺はサイクルオアシスにも登録されている島のお寺です。ご本尊をはさむようにある4枚のふすまは日本画家、中島千波画伯の作。なんと1万6千以上の桜の花がちりばめてあるそうです。

 

大山祇神社や山々に広がるみかん畑など、神様と農業の島として知られる「大三島」だが、実は、美術館や宝物館など見ごたえのある文化施設も多数ある。そして、なんとお寺にはこんな豪華絢爛なものが・・・・・

しまなみ海道・大三島の万福寺

口総(くちすぼ)地区にある「万福寺」(まんぷくじ)。まだ木の香りが新しい本堂へ案内されると、ご本尊をはさむように大ふすまが四枚。桜の大木が枝を張り、今を盛りに咲き誇る様が、なんともきらびやかに雄大に描かれている!

ご本尊をはさむように大ふすまが四枚

日本画の世界で高名な中島千波(なかじま ちなみ)画伯の作とのこと。中島画伯は日本各地の桜の名木を描いたり、花鳥画などを画題に多彩な作品で知られていて、直筆の絵をお願いするとポストカードサイズで100万円(!!)は下らないそうだ。

1万6千以上の桜の花がちりばめてあるそうだ

「息子が、今は副住職をしていますが、以前は大三島美術館の学芸員をしておったんです。その頃に中島さんと知り合った縁で、本堂新築に合わせて描いてもらったんです。」
と話してくれたのはご住職の浅野純以さん。柔和な人柄が雰囲気ににじみ出ている。

画伯やご住職の想いやりがこもったふすま絵

副住職の執持(しゅうじ)さんは、高校時代は美術部に所属し、美大への進学を希望するほど絵が好きだったが、親に説得されて哲学科に進み、修士を出てから学芸員の資格を取得。

 

副住職になってからは、本堂での音楽ライブや落語寄席を企画運営して、地域に開けたお寺を志しているとのこと。「開け過ぎて、付いていくのが大変……」とお母様が笑いながら話してくれた。そんな副住職さんの情熱に触れて、中島画伯もこれほど見事な絵を提供されたのだろうか。

 

今までにたくさんの桜の絵を描いた中で、これが一番の大作だとか。二ヶ月間、腱鞘炎になるほど没頭して画伯はこの作品にを仕上げたという。弟子が数えたところ、なんと1万6千以上の桜の花がちりばめてあるそうだ。この迫力は、実際に見てもらわないと伝わらないだろう。

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「お寺で行事がなければ、いつでも自由に見ていってください」
とご住職。こんなスゴイ作品が無料で自由に見られる!? 

「汚れたり傷ついたりしたらどうする?という心配もあったんですが、“僕が生きているうちはいつでも直しに来ますよ”と中島さんもおっしゃってくれたので……」

 

画伯やご住職の想いやりがこもったふすま絵、大三島の貴重な文化遺産といえるだろう!ちなみに、この絵の中のどこかに、花ビラで“マンプクジ”の文字が描かれている。中島画伯の遊び心を、ぜひ捜してみてほしい!!! 

 

サイクルオアシスになっている大三島の万福寺
万福寺
住所愛媛県今治市大三島町口総4168
電話0897-83-0032

 

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宇都宮一成うつのみやかずなり

自転車好きが高じて10年かけて夫婦でタンデム自転車による世界一周を敢行。88カ国を巡った。帰国後、NPO法人シクロツーリズムしまなみでポタリングガイドとして島走中。しまなみ海道の魅力再発見のため島々をすみからすみまで走り回る毎日を過ごしている。

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