第10回タンデム自転車まつり<報告>

しまなみ海道沿線にあふれる瀬戸内の絶景やおいしいものを1泊2日で満喫する、第10回 タンデム自転車まつり in しまなみ海道《2020春》。

 

2020年3月21日(土)&22日(日)の1泊2日 24名参加の様子をお知らせします。初日は、島海峡大橋の塔頂で”非日常の風景”に触れる体験からスタート…のハズでしたが、残念ながらコロナ禍のため、登頂体験はあえなく中止に。。。代替案として、今治市波方半島エリアをサイクリング。「野間馬ハイランド」と「鴨池海岸」に立寄り、山に囲まれた深緑の「シクロ農園」で柑橘と山菜の収穫体験です!

 

1日目

■12:00 シクロの家集合
すでに桜もほころぶ暖冬の今年、県内外からの参加者が春の恵みを感じつつ集まりました。タンデム経験者が多く、準備に手間取ることもなくスムースに出発!

■13:00 野間馬ハイランド
今治駅から西へ約5km、丘陵地帯の麓にある「野間馬ハイランド」へ。日本固有の馬の一種で、小柄、温厚な性格、昔は農耕馬として活躍していた野間馬は、かつては絶滅寸前までになっていたそうですが、現在は70頭近くまで回復しています。
参加者の子どもたちは、さっそく乗馬体験して「お馬さんに乗れて楽しかった」と大喜び。野間馬と触れ合う時間を楽しみました。

■14:00 鴨池海岸公園&鳶鴉山展望台
透き通るような青い海を見てほしくてセレクトした立ち寄りポイント。ここで少し長めのブレイクタイム。皆、波打ち際で裸足になり、すっかり童心に返った様子。
徒歩15分ほどかけて裏手の山頂にある展望台へも往復しました。「瀬戸内の海は透き通ってますね」、「しまなみ海道の橋も見える!」と、みんなハイテンションでシャッターを押していました。
海に沈む夕日もまた格別な海岸ですが、それはいつか未来のお楽しみにして、次のポイントへ出発!

■15:00 シクロ農園
里山に拓けたシクロ農園で、山菜とタケノコの収穫体験。津の香、安政柑など柑橘の収穫も行って、みかん王国愛媛を肌で感じながら緑美しい農園にしばし身をゆだねました。
ワラビの取り方を教わった子どもたちは、山の斜面をかき分けながら、「ここにもあった!」と両手一杯に収穫。
アルプスの少女ハイジ式ブランコなどの遊具も体験し、遊べる農園プログラムの数々を楽しみました。

■17:00 ゲストハウス「なみトみなと」着
造船の町今治を感じる波止浜港を通り過ぎ、来島海峡を横目にシーサイドラインを駆け抜けて、宿泊場所「Cyclo café & book Hostel なみトみなと」へ。
「海が目の前にあって、静かでいい所ですねえ」と感嘆の声も。なんと、釣竿を持参している人もいて、さっそく海に向かって釣り糸を垂れていました。…果たして釣果は?

■19:00 地産の食材を活かした夕食メニュー
夕食には、フキノトウの天ぷら、ワラビ煮、里いもサラダ、来島鯛のレモンホイル蒸し、タケノコおにぎり、猪味噌おにぎり、鯛味噌おにぎり等を提供。
「地域性満点!自分ではなかなか作って食べられないのでパーフェクトでした」と里山の恩恵を受けたメニューの数々は、大変好評でした。

 

2日目

■6:30 ゲストハウス「なみトみなと」
朝食に、シクロ農園で収穫した柑橘等を使った3種類のパン(レモンクリームパン、安政柑のブリオッシュ、金柑とアールグレイの丸パン)と100%ストレートみかんジュース、野菜スープです。
自然農法で育てた食材の旨味と安心安全がポイント。「地産の材料と味」がなかなかの評判でした。

■8:00 波方港
波方港の波止場よりチャーター船に乗船し、一路広島県の因島へ。
橋と海と島の織りなすダイナミックな景観は船上から見るのが一番!約一時間の船旅を楽しみながら、瀬戸内の風景を満喫しました。「船に乗るのは海と島を感じることができるのでグッド」、反面「船酔いが…」という声もありましたが、チャーター船という特別感で瀬戸内海クルージング気分はMaxに!

■9:00 重井東港(因島)
因島北部にある重井東港で下船。
「遠距離の島や橋のかかってない島に行きやすくて素晴らしい」、「ピンポイントで走りたい島へ行けるのがいいですね」と船での移動の魅力を実感。港から時計回りに因島を走って行くことにします。前半は、海沿いに平坦な道のりですが、後半はちょっと厳しい峠道が待ち構えているのでドキドキでスタート。

■9:20 はっさく屋(因島)
因島大橋のたもとにある定番のお立ち寄りポイント「はっさく屋」へ。お目当ては、はっさく発祥の地、因島のソウルスイーツ「はっさく大福」。でも意外な盲点が…、はっさくのさわやかな苦みが、子どもはちょっと苦手のよう。でも大丈夫、はっさく屋にはいちご大福もあります!「皮が本物のお餅なんですね!食感がしっかりしてて美味しい」と、追加で所望する人も…。窓に広がる布刈瀬戸の流れと因島大橋と眺めながらしばし休憩。

■10:30 因島水軍スカイライン
さあ、因島東部の秘境エリアを目指します。泣く子も黙る「因島水軍スカイライン」に挑戦!上って下って、上って下って、また上る。起伏のある道のりですが、次々と現れる絶景に息を飲み、入り江に佇む小さな漁村に目を凝らしながら前進。潮の香りに春の匂いが混じり、すでに春本番を感じられる因島でした。「アップダウンあってこそのサイクリング!」とばかりに、みんなで前向きにペダルを踏みました。

■11:30 家老渡港(因島)
因島出身の人気グループ、ポルノグラフィティゆかりの折古ノ浜海水浴場でひと息入れたあと、南端の家老渡港へ。ここから渡船で対岸の弓削島へ渡ります。弓削島は愛媛県上島町に属する島。この航路は、広島と愛媛をつなぐ島民の足として利用されていて、大切な生活航路なのです。とはいえ、港に切符売り場などはなくて、乗船後に船員さんが甲板で集金に回ってくるというのどかな方式になっています。

■12:00 ゆめしま裏海道(弓削島)
愛媛県上島町の弓削島・佐島・生名島の3島を架橋でつなぐ「ゆめしま海道」。最短で走るとわずか9kmです。今回は、裏海道を行く最長ルートでたっぷりと島々を走行することに。

 

上弓削港で下船したあと、海岸線を北へ進みます。やがて山道にさしかかり、峠を上り切ると、山の中腹に延びる東海岸線の道に出ました。因島水軍スカイラインほどではありませんが、それでもアップダウンがなかなかキツイ!その分、息もつかせぬ絶景続きに感動の連続。「この海原の眺めには、疲れも吹き飛びますね」と励まし合いながら進みました。

■12:30 法王が原(弓削島)
山を下りるとそこには、白砂青松の海岸が待っていました。ここでランチタイム。地元のコニュニティーカフェ特製、「摘み菜」を食材としたピクニックランチを頂きました。摘み菜とは、平たく言えばそこらに自生している雑草のこと。作り手のお母さんから、摘み菜の種類、調理方法、摘み菜を島の魅力として来訪者に伝えたいという想いも聞かせてもらいました。「カラスノエンドウが食べられるとは知らなかった」、「量より質でおいしかった」と、まさに発見に満ちたお弁当でした。

■14:30 立石港(生名島)

弓削大橋、生名橋と2つの橋を渡り、生名島へ渡ります。島の西側をぐるりと回るコースで立石港へ。
途中、2年後の開通を目指して建設中の岩城橋の橋脚を仰ぎ見ることができました。お隣の岩城島へつながる、上島町民の長年の悲願、夢の懸け橋です。これが完成すると3つの橋で4つの島が結ばれることになり、ゆめしま海道サイクリングもますます魅力がUPします。楽しみですね!

■15:15 大山神社(因島)
立石港から、別の渡船で因島の土生港(長崎桟橋)に戻ります。
土生の商店街を通り、今やサイクリストの間で自転車神社として知られる大山神社へも立寄りました。
巫女さんから神社の謂れや、地域との結びつきを聞かせていただき、みんなで参拝。自転車用のお守りなども入手しました。格式がありながらも開かれた神社として、多くの自転車乗りの訪問を受け入れている大山神社。これからも、因島での自転車まちづくりの拠点として活動を続けていくそうです。

■16:00 金山港(因島)
  ↓
   17:00 今治港(今治)
因島西側にある金山港から、再度チャーター船に乗り込んで復路今治港へ。
来る時とは別の水域を通るため、違う橋や島影に目を凝らしつつ、約1時間の船上での時間を楽しみました。「がっつり走れて大満足。自分自身の成長を感じた」、「亀のミイラの話など、その土地ならではの話が聞けて楽しかった」、「坂道はしんどかったけど体力増進の上ではよかったです」と、最後にそれそれの感想を共有する時間を持つこともできました。

 

※参加者の多くがしまなみ海道リピーターだったので、チャーター船を手配して、普段はなかなか足を延ばせないルートにチャレンジした今年のタンデム自転車まつり。しまなみ海道でもあまり知られていないエリアの魅力をじっくりと楽しむサイクリングツアーとなりました♪

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Profile

宇都宮一成うつのみやかずなり

自転車好きが高じて10年かけて夫婦でタンデム自転車による世界一周を敢行。88カ国を巡った。帰国後、NPO法人シクロツーリズムしまなみでポタリングガイドとして島走中。しまなみ海道の魅力再発見のため島々をすみからすみまで走る回る毎日を過ごしている。

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