えひめ・しまなみリンリントレイン運行開始

 

2023年4月23日追記

予約なしで普通列車に自転車をそのまま!

自転車を分解せずにそのまま列車に持ち込めるしまなみ海道のサイクルトレイン「サイクルトレインしまなみ号」。今年2022年春からは、さらに進化して【普通列車の車内に自転車をそのまま持ち込める混乗運転】で「えひめ・しまなみリンリントレイン」として運行されます。全国JR各社の中でも先進的な発展ですネ。

 

追記:1便に積載できる自転車の台数の制限が、便により5台または10台となりました。

追記:好評につき、2024年2月25日(日)まで実施期間が延長されました。

しまなみ海道のサイクルトレイン「りんりんトレイン」のメインキャッチ

 

期間:2022年3月19日(土)~6月26日(日) 2024年2月25日(日)の土休日

対象列車:22本(下り12本、上り10本)

区間:予讃線 伊予西条駅~松山駅間

自転車乗降可能駅:松山-三津浜-伊予北条-波止浜-今治-壬生川-伊予西条の各駅

 

しまなみ海道のサイクルトレイン「りんりんトレイン」のプレスリリース
しまなみ海道のサイクルトレイン「りんりんトレイン」のプレスリリースの続き
2022年春のしまなみ海道のサイクルトレイン「りんりんトレイン」の対象列車時刻表

※ダイヤ改正がありました。最新の時刻表を必ず公式ウェブページでご確認ください。

 

これまでのサイクルトレイン

サイクルトレインしまなみ号は、2009年5月から貸切の『団体専用臨時列車』として運行を開始しました。そして2019年3月からは『定期運行便に専用列車を連結しての運行』へと進化して、ついに2022年3月からは『定期便車内に自転車をそのまま持ち込める混乗(試験)運転』と変遷を遂げます(^^♪実績を重ねた成果が実り、ようやく欧州の公共輸送機関に一歩近づけました。

 

えひめ・しまなみリンリントレインはここが便利!

★松山からはもちろん、伊予西条方面からの利用もますます便利になります。特に大阪南港からオレンジフェリーに乗ってきた(乗って帰る)サイクリストにはすっごく使いやすくなるんです!!

 

★事前予約不要、追加料金なし、輪行不要。JR普通列車に自転車をそのまま持ち込めます!しまなみ海道も春の装いをおびてきました。この春のサイクリングには、サイクルトレイン「えひめ・しまなみリンリントレイン」をどうぞご利用くださ~い(^^♪

 

リンリントレインの実施期間が大幅に延長されました
実施期間が大幅に延長されました

 

【詳細】JR四国 https://www.jr-shikoku.co.jp/02_information/cycle-train/

 

えひめ・しまなみリンリントレインの乗車イメージ

しまなみ海道のサイクルトレイン「りんりんトレイン」乗車イメージ
JRの列車に自転車をそのまま積載

 

しまなみ海道のサイクルトレイン「りんりんトレイン」乗車イメージ
持参したゴム紐などでしっかりと固定

 

しまなみ海道のサイクルトレイン「りんりんトレイン」乗車イメージ
鉄道を使って楽々としまなみ海道サイクリングへ

 

しまなみ海道のサイクルトレイン変遷
2009年「サイクルトレインしまなみ号」をシクロツーリズムしまなみが企画提案
2014年しまなみサイクルトレイン利用促進協議会設立 臨時列車として運行回数が拡大
2017年松山駅~今治間だけでなく伊予西条駅の便も運行開始
2018年普通列車へ自転車積載専用車両を増結する方式に変更
2022年混乗実験開始 「えひめ・しまなみリンリントレイン」として運行

 

 

 

2023年4月23日追記分

リンリントレインに実際に乗ってみました<スタッフレポート>

 

乗車区間:伊予北条駅~今治駅

乗車便:538M 伊予北条16:13 – 今治16:58 (上り伊予西条方面行き)

乗車日:2023年4月22日(土)

自転車台数:2台(2名)

 

スタッフによる乗車レポートです。この日は愛媛県今治市から愛媛県松山市の北条まで、はまかぜ海道と呼ばれる国道196号線の海沿い区間を片道30kmほどのサイクリング。強風ながら追い風の好コンディション。途中、菊間のビーチや道の駅ふわりに立寄りながら軽快に北条を目指しました。伊予北条駅前のカレー店カルコバにて遅めの昼食をとり、北条市内をポタリング。本当は帰り道も自転車で戻る予定でしたが行きは追い風ということは帰りは向かい風。この日は土曜日ということで「えひめ・しまなみリンリントレイン」が利用できることを思い出し、伊予北条駅から今治駅まで鉄道で楽をして帰ることに。その分、北条市内でのんびり自転車旅を楽しむ余裕ができ、16時頃に伊予北条駅に戻ってきました。

 

通常の乗車切符を買うだけ
通常の乗車切符を買うだけ

 

ウェブサイトで2024年2月25日までの土休日には「えひめ・しまなみリンリントレイン」が利用できることを知っていましたが、念のため、駅員さんにも利用できるか確認。降りる駅を聞かれたので「今治駅です」と答えました。降りることができる駅が限定されているのでその確認ですね。現在のところ、自転車用の追加料金は無しなので、通常の670円の切符を買うだけです。「えひめ・しまなみリンリントレイン」を利用するための特別な手続きは何もありませんでした。とっても簡単です。

 

実施期間が延長されたことを示す広告
実施期間が延長されたことを示す広告

 

伊予北条駅の構内にも、「えひめ・しまなみリンリントレイン」の広告が貼ってあり、実施期間が延長されたことと、現在の対象列車とその時刻表が掲載されていました。この時刻表には緑の丸と黄色い三角形のマークが駅ごとに付いています。これはこ線橋を越える必要があるなどの、自転車をホームから出入り口までの持っていき易さを表していました。これを見ると僕が乗るつもりの538M 伊予北条16:13 – 今治16:58は、伊予北条駅は緑の丸、今治駅は黄色い三角形になっています。確かに、伊予北条駅は改札の目の前の1番乗り場から発車予定のため、階段などはなくスムーズに乗り場まで自転車を押していくことができました。今治駅は高架になっているので基本的に階段を降りる必要がありそうですね。

 

反対の車両にも利用者の姿が
反対の車両にも利用者の姿が

 

16:13伊予北条発の今治行きが来るまで、向かいのホームには松山方面行きの541M 伊予北条16:15発の列車が待機していました。こちらの列車にも運転席後ろに自転車をそのまま積載している方の姿を発見。この時間だと、しまなみ海道をサイクリングして松山へと帰る途中かなと想像しました。「えひめ・しまなみリンリントレイン」沿線に在住の方が、しまなみ海道サイクリングへの交通手段として利用する頻度が多く、とても便利なサービスだなと思います。予約なしで、いくつかの列車に乗れる便利さも素晴らしいです。

 

列車が伊予北条駅に到着
列車が伊予北条駅に到着

 

予約なしでOKの反面、列車が来るまで何台の自転車が既に積まれているかが分からないので、列車到着まで自分が自転車を積載できるのかどうかが分かりません。これはなかなか不安でした。基本は先着順。松山から既に5台の自転車が積載されている場合、乗ることができない可能性がありました。幸い、到着した538M 伊予北条16:13には、自転車は1台も積載されておらず、無事に自転車を載せることができました。ちなみに、この列車に乗れなかった場合は、次の16:56発の伊予西条行きに乗ろうと考えていました。夕方から夜にかけての時間帯は対象車両が多いのがありがたいです。

 

自転車固定可能場所のステッカー
自転車固定可能場所のステッカー

 

「えひめ・しまなみリンリントレイン」では、現在、2両編成の車両に5カ所の自転車固定場所が用意されています。持参したゴム紐などで、手すりに固定することが想定されているのですが、車両の先頭と最後方の場所が、壁状のものがあるため比較的停めやすいと感じました。車掌さんから「ここに停めてください」などという指示はされることがなく、全て自分で責任を持って固定場所に固定するという感じでした。固定用のゴム紐などを2本程用意するとよりしっかり固定出来てよかったなと実際に乗ってみて思いました。次回は2本持参しようと思います。

 

列車に自転車をそのまま積載
列車に自転車をそのまま積載

 

今回乗車した、538M には他に乗客も少なかったので、ほとんど一般の乗客の方に気を遣うことなく安心して自転車を載せることができました。土休日に限定しているのも、平日だとこの時間の列車には学生さんの利用が多いのも理由かもしれません。有料で構わないのでどの列車にも自由に自転車を載せることができるのが理想的ですが、乗車率が高い列車だと積載が難しくこちらも気を遣うので、現在のように比較的乗車率が少ない列車≒対象列車にしているのは一理あるのかもしれないなと思いました。

 

今治駅のホームにて
今治駅のホームにて

 

終点の今治駅へは、定刻通り16:58に3番ホームに到着。これくらいの規模の駅で自転車をそのまま押し歩いた経験がなかったので何だか新鮮な気持ちでした。サイクリング先進地であるヨーロッパのいくつか国々では日常の光景なんでしょうが、日本のしかもJRの列車でこれができるのは、自転車環境の変化の大きな一歩だと感じました。駅のホームからは階段を重いランドナーを担いでおりましたが、分解組立てする面倒を考えたら、何ていうことのないことでした。はかまぜ海道往復サイクリングのつもりが片道になりましたが、こうした臨機応変な旅ができるのもサイクルトレインの大きな魅力ですね。また利用したいと思います。(村上)

 

TOP

関連記事

Profile

宇都宮一成うつのみやかずなり

自転車好きが高じて10年かけて夫婦でタンデム自転車による世界一周を敢行。88カ国を巡った。帰国後、NPO法人シクロツーリズムしまなみでポタリングガイドとして島走中。しまなみ海道の魅力再発見のため島々をすみからすみまで走る回る毎日を過ごしている。

新着記事

facebook