さをり織り(大三島)

50年ほど前に大阪で始まった”さをり織り”。

しまなみ海道・大三島でさをり織り
しまなみ海道・大三島でさをり織り

大三島の、ゆぅったりとした時間の中で、さをり織りを体験してみてはどうだろうか。人にすすめるには、まず自分でやってみなければ、ということで体験してみました”さをり織り”!

 

指導してくださるのは、高智満子さん。さをりの織り機は、タタミ半畳のスペースがあれば十分。横糸を通しては、足のペダルを「トン!」と踏みかえ縦糸を通し、また横糸を通ししていく。いたってシンプルな動きなのだが、ついつい踏みかえるのを忘れたりする。

 

「あ?、やっちまったぁ?」と、思っても大丈夫!高智さんが、「これはこうして、こうしたら、ホラ、模様になるんよ?」と、いたずらっ子みたいに教えてくれた。

 

おぉ?!確かに、そこから新しい模様が始まっていくみたいだ!さをり織りに「失敗」はナイ!間違えた!と思っても、それがオンリーワンの模様になるのだ!高智さんが手助けしてくれたとは言え、わずか10分ほどでテーブルクロスが織れた!「あぁ、これが人生ならいいのに…」と思いながら、さをり織りの魅力にはまっていきそうなワ・タ・シ…

 

さてそのさをり織りの先生の高智満子さんは、やわらかな風をまとっているような、それでいて、シャープと言うか、しなやかな心の芯が感じられる女性だ。それに、なんといっても美人だし!

 

大阪のご出身なのだそうだが、関西の感じがしない。「大阪人は、思ったこと、自分の言いたいことをすぐ口にするんよ」と笑うが、セレブな雰囲気が漂っている…。

 

ここ大三島は、ご主人のふるさとであり、7年ほど前、ご主人のリタイアを機に、移り住まわれたそうだ。近年、ナチュラリストという言葉をよく耳にするようになったが、高智さんはまさにど真ん中のナチュラリストだ。みかん山などで、鳥の巣(巣立った後)やみの虫の抜け殻などを拾ってきては、コレクションされている。子どもの時には、地面を掘っては「岩石が出ないかなぁ?」という思いにふけっていたという。ん?、ユニークだぁ。

 

ご主人と歩まれてきた人生は、「生き方の戦い」でもあったそうだ。「夫は、考えるより行動するタイプ、私の価値観をことごとく覆してくれた」と、アッケラカンに話す。夫婦でありながら、今なお恋人同士みたいな雰囲気が感じられるのは、自己主張と尊重を繰り返してきた証か?

 

「塾の先生」という顔も持たれていて、これからもいろんなシーンを通して人に関わっていっていきたいそうだ。「ガンバリ所と、ガンバラなくてもいい所を教えてあげられたら…」、という言葉に、私はおもわず「つっ、ついて行きたい」とつぶやいていた。

(2009年9月)

 

さをり織り
住所愛媛県今治市大三島町大見2599(NPO法人さをりひろば)
電話0897-82-0121
営業時間※約1週間前に予約してください。

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Profile

宇都宮一成うつのみやかずなり

自転車好きが高じて10年かけて夫婦でタンデム自転車による世界一周を敢行。88カ国を巡った。帰国後、NPO法人シクロツーリズムしまなみでポタリングガイドとして島走中。しまなみ海道の魅力再発見のため島々をすみからすみまで走る回る毎日を過ごしている。

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