しまなみ海道でのワーケーションツーリズム 農業編

しまなみ海道でのワーケーションツーリズム 農業編モニターツアー

第ニ弾のモニターツアーは12月に開催した「アグリワーケーション」でした。これは、愛媛県を代表する柑橘農家と共に2泊3日の日程で農作業を行う中で地域の農家が直面する課題に向き合い、今後の地域の農業について考える時間を持って頂く、というプログラムでした。

しまなみ海道でのワーケーションツーリズム 農業編で井上果樹園を訪れた

受け入れを担当下さったのは、今治市大西町で就農して10年余りになる井上果樹園が代表を務める生産者グループ優樹の里です。このグループは平成26年に、集落内の耕作放棄地を園地に転換し新規就農者に引き継いで無農薬有機栽培による果樹栽培農家を増やす事を目的に設立されました。

しまなみ海道でのワーケーションツーリズム 農業編 有機肥料の手作り体験
しまなみ海道でのワーケーションツーリズム 農業編 井上果樹園にて

プログラムでは、有機栽培の基礎となる有機肥料作りから、病害中予防等の為の果実の袋がけ、収穫と選別、そして柑橘を活用した加工品の試作に取り組んで頂きました。

しまなみ海道でのワーケーションツーリズム 農業編 井上果樹園にて柑橘の収穫体験

優樹の里の代表からは、有機栽培では果樹のキズや色むら、中身には影響ない虫のフンの跡といった見た目の問題だけで出荷できず食品ロスとなり、また農家の収入が減ってしまう事が一般的な慣行栽培に比べて著しく多い事が説明されました。参加者はその上で選別作業に臨みましたが、自身がお店で手に取るか、という基準で一次選別。その結果を農家さんと確認する、という経験を通じ、時に消費者が過剰に、時に農家さんも過剰に、食べられるはずの生産物を除外しているという気づきを得ていました。

しまなみ海道でのワーケーションツーリズム 農業編 柑橘を使った新たな商品開発ワークショップ
しまなみ海道でのワーケーションツーリズム 農業編 柑橘を使った新たな商品開発ワークショップ
しまなみ海道でのワーケーションツーリズム 農業編 柑橘を使った新たな商品開発ワークショップ

また、生産だけでなく、加工や販売で農家さんと消費者がタッグを組む事でいわゆる「消費者ニーズに応えた商品づくり」が可能となる事、今まで成し得てこなかった成果を挙げる事ができるようになる事に手応えを感じたようでした。

優樹の里は現在、青果としての出荷では選外となる果実をジュースに搾汁する工場を整備し、今治港で開催されるマルシェにも積極的に出店。さらに研修生や援農者の滞在や地域の人と交流する飲食提供も可能な拠点整備も進める予定です。こうした活動に今回の参加者も積極的に関わる事となり、アグリワーケーションの発展が大いに期待される結果となりました。

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Profile

宇都宮一成うつのみやかずなり

自転車好きが高じて10年かけて夫婦でタンデム自転車による世界一周を敢行。88カ国を巡った。帰国後、NPO法人シクロツーリズムしまなみでポタリングガイドとして島走中。しまなみ海道の魅力再発見のため島々をすみからすみまで走る回る毎日を過ごしている。

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