土器からつくる塩づくり体験(伯方島)

【しまなみオススメMAP・伯方島】しまなみ海道の伯方島と言えば、なんといっても有名なのは「塩」でしょう。古くから塩づくりが盛んだった伯方島で、原始的な方法の塩づくりを体験できます。当時の土器を手びねりで再現し、かん水を煮つめて塩が出来上がるまでを体験してみませんか。畑で採れたての野菜をつかったバーベキューに作りたての塩をかけて食べてみました。

 

「伯方島といえば?」と聞けば、返ってくるのは「塩!」。…いやはや、スゴイ知名度です。

 

塩は食生活に大切な調味料であり、また人体の生理作用に不可欠のものです。かつて人類は食塩を手に入れるために交易ルートを作ったり、貨幣として使った地域もあったそうです。現代では、機械化された工場で大量生産されていますが、はるか昔、私たちの祖先はもっとシンプルな手法を用いて製塩をしていました。

 

もっとも原始的なのは「海藻を焼いた灰塩」そのものを使っていました。次に「灰塩や藻でかん水を作り、煮詰める」ようになり、やがて「砂浜を利用して濃いかん水を採取し、煮つめる」事を始めます。古代において、この”煮つめる”作業には、土器が使われていたようです。

塩づくり用の土器の手びねりに挑戦
塩づくり用の土器の手びねりに挑戦

伯方島では、なんと「土器からつくる塩づくり」に挑戦できる場所があります。島の南東部、白い砂浜と青い海に面した沖浦ビーチにて、教えてくれるのは”伯方島土器で塩づくりの会”の方々。

 

当時の土器を手びねりで再現し、かん水を煮つめて塩が出来上がるまでを抜群のロケーションの中で楽しめるのです。

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まずは、ビーチを臨む東屋で土器作り。会の女性スタッフが、慣れた手つきで尻すぼみ型のおわんを作って見せてくれます。真似てみますが、上手に出来ずに型崩れ。 「たくさん作るうちに上手になるんよ?」と慰めつつ、彼女は私の失敗作をグニャ!形を均して一からやり直し。粘土をいじるなんて中学生以来かな?お手本のように作るのは、意外に難しい…。何とか器の形になりましたが、すぐには使えません。乾燥後、素焼きしなければならないのです。

 

というわけで、既に作ってある器にチェンジ。それを炭火の中にポンと置き、塩分濃度を高めたかん水を注ぎます。煮詰まり結晶化するまで小一時間。「塩づくりだけやとちょっと物足らんかもしれんので、そばの畑へ野菜の収穫に行き、それをバーベキューにしてもらうことも出来るようにしとるんよ。」と、会の代表の山岡さん。

畑で収穫するなんていつぶりだろうか
畑で収穫するなんていつぶりだろうか

畑には、アスパラ、キャベツ、ナス、ピーマン、ジャガイモ等、季節の野菜たちが育っています。

 

器の中でグツグツしていたかん水は、いつの間にか白く固まっていました。手に取ってなめてみると、粉のようにきめ細かく、舌触りの優しい味が口中に広がりました。

 

さっそく炭火で焼いた野菜たちに塩をつけて食べてみました。
幸せな気分になるおいしさです。

自分で昔ながらの方法で作った塩の味は?
自分で昔ながらの方法で作った塩の味は?

今日はスペシャルに、竹めしも登場。手作り塩がふっくらとしたご飯の味を引き立て、おこげも香ばしくいただけました。塩処の「伯方島」で、あなただけのオリジナル塩つくり、ぜひ体験してみては!

 

土器で塩づくりの会
土器で塩づくりの会
住所愛媛県今治市伯方町木浦甲2291(伯方島沖浦ビーチ)
電話0897-72-1152 (9:00~18:00)「土器で塩づくりの会」代表:山岡和孝
料金塩づくり¥2000/人
塩づくりと塩バーベキュー¥3000/人
人数30名 ※最小催行人数3名 (7日前までに要予約)
時間塩づくり 所要約2時間
塩づくりと塩バーベキュー 所要約4時間
雨天時は中止

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Profile

宇都宮一成うつのみやかずなり

自転車好きが高じて10年かけて夫婦でタンデム自転車による世界一周を敢行。88カ国を巡った。帰国後、NPO法人シクロツーリズムしまなみでポタリングガイドとして島走中。しまなみ海道の魅力再発見のため島々をすみからすみまで走る回る毎日を過ごしている。

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