高龍寺(大島)

江戸時代、将軍様邸に迷い込んだみたいな風情あるお庭。
高龍寺には、独特の気品が漂っている。お庭の手入れは一部、京都で造園業を手がけていたという方におまかせしているらしい。なるほど…、納得。

大島の高龍寺
大島の高龍寺

今治城主は、かつて鷹狩りを楽しむため大島に遊びに来ていた。その際、お昼ごはんを食べていた場所がこちらの高龍寺なのだそうだ。(ん?、お寺でランチなんて、ステキ!)遊食を満喫した城主は、夕方までには今治城に帰っていたそうだ。お殿様の日帰り旅行といったところなのだろう。

 

ご住職の鴨井智峯さんは、しなやか+知性+ユーモアが同居した不思議な雰囲気を持っておられる。肩の力がほどよく抜けていらっしゃるのだ。これってかなり高度な技だとみた!

 

高龍寺には、ご住職の友人が開設してくれたというホームページもあるので、ぜひアクセスしてご住職のブログを読んで欲しい。語り口がすごくソフトでこれは面白い! 趣味は、パソコンと映画とおっしゃるご住職、お嬢さんととっても仲良しで、2人でエミフル(愛媛県伊予市にある大型ショッピングセンター)に買い物に出かけられるなど、とってもやさしいお父さんでもあるのだ。

 

奥様のご実家は伯方島のお寺だそうで、鴨井住職はそちらの住職も兼任されているため、2日に1度は伯方島へ渡っている。長男さんは高野山大学に通われていて、「法要が多いシーズンは、早く息子の手助けが欲しいと思うんよ」と笑う。

 

寺院に生まれると周りから「お坊さんになるんでしょ」というプレッシャーを暗黙のうちにかけられるので、あえて跡を継いで欲しいという必要はないと思っていた。実際におっしゃることもなかったそうだ。本人からの反発もあるだろうし…、というのも考慮して。

 

でも案の定と言うか、次男さんから、「親の敷いたレールを歩きたくない」という言葉が飛び出したこともあったそうだ。鴨井住職は、「それならばと…」自主性に任せた。そうした状況が続くとなんと今度は、次男さんが「新しいレールを敷いてください」と頼ってきたのだ。なんと素直でユニークでトンチ溢れる親子関係なんだぁ!きっと鴨井住職のDNAが受け継がれているのだと思う。

 

何でも受け入れてくれるような、押してもダメなら引いてみなのような、独特のオーラを放っている鴨井住職のブログから目が離せない。

(2009年9月)

 

高龍寺
住所愛媛県今治市吉海町名2916-2
電話0897-84-2129
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宇都宮一成うつのみやかずなり

自転車好きが高じて10年かけて夫婦でタンデム自転車による世界一周を敢行。88カ国を巡った。帰国後、NPO法人シクロツーリズムしまなみでポタリングガイドとして島走中。しまなみ海道の魅力再発見のため島々をすみからすみまで走る回る毎日を過ごしている。

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