よしだ食堂(閉店)
※2016年3月惜しくも閉店となりました。
今治国際ホテル前の大通りを南東方向へ進んでいくと、二つ目の交差点の一角にある食堂に目をひかれます。
![かつて今治にあったレトロ食堂「よしだ食堂」](https://www.cyclo-shimanami.com/wp/wp-content/uploads/2022/05/yoshidasyokudo-2.jpg)
市街地の表通りに異彩を放つ、古い日本家屋の『よしだ食堂』です。
暖簾をくぐると、一気に昭和初期へとタイムスリップ。机も椅子も、壁も厨房も、お店を切り盛りしているご夫妻も、なんだか懐かしい空気を醸し出しています。不思議なのは、マヨネーズの容器に入った、お茶!?
![マヨネーズの容器に入っているのはお茶](https://www.cyclo-shimanami.com/wp/wp-content/uploads/2022/05/yoshidasyokudo-3.jpg)
「昔は、ペットボトルなんて無かったけんね。今でも冷蔵庫にちょうどいい大きさなんよ。」
と、ふくよかに微笑むご主人。昔のひと工夫が、今ではとっても独創的アイデアに思えます。
「40年ぐらい前に、食堂を開いたんやけど、以前は自家製のアメ玉、せんべい、まんじゅうを売るお菓子屋やったんよ」
厨房をのぞかせてただくと、流しやコンロが巧みに配置されているけれど、改造の苦労が伺えます。階段下に付けた包丁棚など、なんとも絶妙なポジション。年季の入ったプラスチックのお皿が天井から吊り下がっているのは、お釣り用の小銭入れとのこと。
![よしだ食堂のご主人とつり銭](https://www.cyclo-shimanami.com/wp/wp-content/uploads/2022/05/yoshidasyokudo-4.jpg)
「以前は近くにタオル工場があったし、ハリソン電機も近いけん、昼食に従業員がようけこと来てくれよったんよ。何を食べたか自分らで計算してくれて、”おばちゃん、お釣りなんぼちょうだい”と言われて、サッと渡せるようにしとったんよ」
と、愛嬌のある女将さんのお話。
「もう信用よねぇ。常連さんばかりやったし…」
今治の産業がにぎわっていた頃の話ですが、今でも「ここで食べたい」と言って奥の”かまどの間”を愛用される常連さんらが来るそうです。
![懐かしく美味しいよしだ食堂の料理](https://www.cyclo-shimanami.com/wp/wp-content/uploads/2022/05/yoshidasyokudo-1.jpg)
メニューは、人気ダントツの”中華そば(¥380)”や、”カツ丼(¥530)”、”オムライス(¥480)”・・・。食品棚にならんだ”一皿¥180のおかず”もセルフでチョイスできます。使い込まれたおでん器には、味のしみ込んだ”おでん”がたくさん。
大衆的でアットホームな「よしだ食堂」、確かな味と、大将と女将さんの人柄にもホッとさせられる空間です。
2010年8月
![今治のレトロ食堂、よしだ食堂](https://www.cyclo-shimanami.com/wp/wp-content/uploads/2022/05/yoshidasyokudo-2.jpg)
よしだ食堂 | |
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住所 | 愛媛県今治市旭町3-3-1 |
電話 | |
定休日 | 日曜日 |
営業時間 | 9:40~17:00 |
料金 | 中華そば ¥380 カツ丼 ¥530 オムライス ¥480 おかず一皿 ¥180 etc. |