農家レストラン・でべそおばちゃんの店(岩城島)

【しまなみオススメMAP・ゆめしま海道】青いレモンの島・岩城島。地元の看板でべそ(でしゃばりの意)おばちゃんが、レモンの風味ただようレモン尽くしのレモン懐石を提供しています。島のお母さん達が、思いをこめて丁寧に地元の食材を使って作る料理の一品一品は、普段から生活の中にレモンがある岩城島ならではの食体験です。

 

でべそ=でしゃばりの意味

青いレモンの島・岩城で、レモンを丸ごと使った『レモン懐石』を提供しているのが「でべそおばちゃんの店」。

 

平成18年4月に自宅をお店としてオープン。岩城島の人気店だ。一歩踏み込んで何が人気かすぐ分かった。ここに来れば、岩城の看板娘3人に出会えるのだ。 

岩城島のでべそおばちゃんの店の店主たち
岩城島のでべそおばちゃんの店の店主たち

「でべそおばちゃんの店にようこそ!」

 

「でべそ」はこの土地の方言で「でしゃばり」という意味。自他共に認める!?3人のでべそおばちゃんが、人なつっこい笑顔で出迎えてくれる。

 

でべそおばちゃんの夢と挑戦

「自分のお店を持つのがずーっと夢だった。」そう語るのは一人目のでべそ・西村孝子さん。自宅を開放したオーナーだ。「年6回の宝くじを何年買ったことか・・・」店オープンまでの試行錯誤を振り返りながら語ってくれた。

 

通常、自宅の既存の台所を活用し、食事を提供する形態では営業許可がおりない。そこで、最初は、お客さんも一緒に料理づくりをする体験から始めた。「体験じゃなく、料理だけ食べに来たい人もおるんじゃけど・・・」諦めかけていた頃、地元の商工会の人から情報が入る。地域の個性をいかしたまちづくりを、規制緩和面から応援する制度「愛媛県夢提案制度」。この制度を愛媛県第一号で活用し、念願の店オープンにこぎつけた。「知事も町長も応援団よ。」公的支援を得ることは、地元の理解にもつながった。

「これからもレモンにこだわり、がんばりたい」とでべそおばちゃんは語る
「これからもレモンにこだわり、がんばりたい」

レモン尽くしのレモン懐石

とにかく彼女達はよくしゃべる。この日、出迎えてくれたもう一人のでべそ・ちーねーこと、佐野チサコさんが、今日のメニューの説明をしてくれた。「私らはレモンにこだわっとるけんね。今朝、採れ立て鯛のおさしみはレモンしょうゆで。レモンの器に入ったペア寿司には、ペアじゃけん、子どものできたんよ。最初はおらんかったんよ。」

でべそおばちゃんの店を取材当日のレモン懐石
でべそおばちゃんの店のレモン懐石

【取材当日のメニュー】
・鯛のおさしみ(レモンとしょうゆを半分ずつわったレモンしょうゆで)
・ひじきのレモン酢和え
・トンだレモン
・季節の揚げ物
・バリッコ(切干大根)
・魚のマリネ
・ペア寿司
・デザート(レモンゼリー、レモン紅茶)

 

 

レモンの風味がただよう料理は絶品。これをまるで我が家のようにくつろげる自宅で食べられる。何とも贅沢なひと時。有名なシェフが作った料理もおいしいかもしれないけれど、地元の食材で地元のお母さんがつくる料理に勝るものはない。地元のお母さんと言っても、彼女達のプロ意識はすごい。とても勉強熱心なのだ。

 

「色々な人に出会って、いっぱい知恵をもらった。これからもレモンにこだわり、がんばりたい」
倍半分、年が違うお母さんから、元気をもらう。

 

料理の締めくくりは、レモンゼリーとレモン紅茶。紅茶はレモンの花を浮かべていただく。つぼみを落とすと、ふわっと、花が開きはじめる。

 
「初恋の味のするレモン紅茶。咲かなかったら、またのお越しを。」

 
ちーねーの声が響いた。

台所からはレモンの香りがただよってくる

「でべそおばちゃんの店」では、西村孝子さん、佐野チサコさん、西本優子さん3人のでべそがお待ちしています。

 

※レモン懐石作り体験もできます。(レモンの器づくりなどがお勧め)

 

岩城島のでべそおばちゃんの店
農家レストラン・でべそおばちゃんの店
住所愛媛県越智郡上島町岩城3057
電話0897-75-2843
定休日お盆、お正月
営業時間要問合せ
その他完全予約制

 

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Profile

宇都宮一成うつのみやかずなり

自転車好きが高じて10年かけて夫婦でタンデム自転車による世界一周を敢行。88カ国を巡った。帰国後、NPO法人シクロツーリズムしまなみでポタリングガイドとして島走中。しまなみ海道の魅力再発見のため島々をすみからすみまで走る回る毎日を過ごしている。

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