今治 ~ 尾道 <バス輪行 大検証>
今治~尾道のバスに自転車は載せられる?
「今治から尾道まで、バスに自転車を載せられますか?」
・・・という質問のお電話が、時々かかってきます。みなさん初めてのしまなみ海道サイクリングを計画しながら、分からないこと、疑問なことが色々と出てくるようですね。
バス会社の回答は?
ある人が、しまなみライナーを運行するバス会社に問い合わせたところ、こんな回答だったそうです。
質問:「自転車は乗せられますか?」
回答:「輪行袋に入れて頂ければ運びます」
質問:「車輪は前後外して輪行した方が良いですか?」
回答:「前後?詳しいことは分かりません。荷物室に載るならいいです」
質問:「どれくらいの大きさまでなら良いのですか?」
回答:「他のお客さんの荷物次第なので、今は答えられません」
質問:「毎年3月に開催している“しまなみ縦走” の日は、混み具合はどうなのでしょうか?」
回答:「知りません」
実際に自転車を載せて検証してみました!
・・・というわけで、「しまなみ海道の今治から尾道までバス輪行できるかどうか」実際に検証することにしました!(2012年6月11日検証)
乗車したバスの便はこちら
高速バス(しまなみライナー) 今治駅前発 8:18 → 因島大橋バス停着 9:08
<因島大橋バス停で乗り継ぎ>
路線バス(因島~尾道線) 因島大橋バス停発 9:20 → 尾道駅前着 9:48
今治駅前から尾道駅前までの直行バスはないので、しまなみ海道・因島の高速道路上にあるバス停「因島大橋BS(バス停)」で高速バスから路線バスへと乗り換えます。尾道駅前からバスに乗る場合には、この逆のルートになります。
今治駅前→因島大橋
今治駅前の停留所で「しまなみライナー」の到着待ち。
次々といろんなバスがやってきますが、特にアナウンスは無いので、自分の乗るべきバスが分かりづらいのが難点。日本語の分からない外国人だと、完全にお手上げなり~…。シクロの家に宿泊の海外からのゲストさんもよく「JRは全然問題ないけど、日本のバスは難しい」とよく聞きますが、これは確かに…。
福山行きの「しまなみライナー」来た!
運転手さんは、輪行袋を携えた僕たちを見て、運転席から降りて荷物庫の扉を開けてくれました。
が、・・・荷物庫の天井が思いのほか低い。
なんと、立てたままでは積み込めないのでした。 トホホ・・・
仕方なく、横に寝かせて積み込みます。
自転車は、横からの衝撃に弱いので、あまりおススメではありません。輪行袋の上に、うっかり他の荷物を乗せられたりする可能性もあるし・・・。
これでは荷物庫には、2台乗せるのが精一杯のスペース。隣の荷物庫も開けてもらったら、あと2台積載できるかな。合計4~6台が精一杯な感じです。この福山行きの「しまなみライナー」、自転車積載のキャパは少ないことが判明しました。
しかも運転手さんから、驚くべき事実が・・・!
「因島で乗り継ぐバスはもっと小さいので、自転車は積めないですよ」と。
「え!? じゃあ、尾道まで行きたい人は、どうしているんですか?」
「そ~ですね、乗り継ぐバスの運転手さんに聞いてみて下さい。この時間ならお客さんも少ないし、車内に持込ませてくれるかもしれませんから」
これじゃ、輪行に慣れていない人は不安でたまりませんよねー。
ココで、「なんとかなるんじゃない?」と思える人は、旅人向きかも?!
「しまなみライナー」は福山行き(広島県のJR福山駅行き)のため、向島からそのまま高速道路に乗って福山方面へと向かいます。そのため、尾道市内には寄らないのです。尾道に行きたい人は「因島大橋」で途中下車し、路線バスに乗り継がねばなりません。
運賃は、通しで片道2,200円。自転車の積載は無料。
因島大橋→尾道駅前
因島で乗り継いだ路線バスです。 確かに狭い荷物庫・・・!
輪行袋に入れた車輪がつっかえ、積込みにくいです。これなら、車輪は別にしておく方がスムーズですね。…まあ、なんとか押し込みました。
「この前、グループで来た人達がいて、そのときはどうしようもなくて客席に持込んでもろうたんよ」
…と運転手さんが手伝ってくれながら話してました。
尾道駅前行きの路線バス車内。
乗客が少なければ持込ませてもらえるといっても、やっぱり狭いッス。
朝夕の通勤・通学時間帯は不可だわな、確かに。
さて路線バスは向島から尾道大橋を渡っていよいよ尾道駅前に到着!かがんで荷物庫から自転車を取り出します。この作業、腰を痛めそうです。。。
「ミニベロって、こんな時便利よね~~」と思ってしまうのでありました。
尾道駅前にて路線バス下車完了~。
実際に自転車をバス輪行しての結論は?
<結論>
●今治~尾道は、一応、自転車の輪行可能。でも、因島~尾道間の路線バス部分に不確定要素あり。
●乗り継ぎする労力より、「しまなみライナー」を今治~向島まで利用し、「向東BS」で途中下車して、自転車を組み立て、渡船のりばまで走り(5分ほど)、渡船で尾道駅前に出るほうがベター
もし、自転車を分解せずに乗せられる「サイクルバス」みたいなのが運行していたら、サイクリストにはすごくありがたいですよね。途中でリタイヤしたり、予定変更して切り上げたい人のレスキューにも有効だし。
自転車旅行者の受入れ基盤が整っていくことを願ってま~す。
追記:2014年4月26日から自転車を分解せずに載せることができる今治~尾道間の高速バス「しまなみサイクルエクスプレス」が運行されました。尾道~今治間の68kmを約1時間半で結び、1日3往復。
追記2:高速バスの尾道今治線「しまなみサイクルエクスプレス」は2020年6月28日に廃止されました。
ちなみにコレ、パキスタンのバス。 屋根にも人や荷物を乗せてます。
融通は利くけど、事故ると死者が出ます。そして、よく事故ってます・・・。
2012年6月11日検証