達川ベーカリー（今治）

2019.11.13

【しまなみオススメMAP・今治】人気の老舗パン屋さん「達川ベーカリー」は森見公園の裏手にあります。高級バターを折り込んだシャノンは人気で売り切れ必至の逸品。事前に予約をして食パンを取り置きしている地元の方々が次々に訪れて、様々な種類のパンが飛ぶように売れていきます。

今治の老舗パン屋「達川ベーカリー」

愛媛県今治市にある三大老舗パン屋のひとつ「達川ベーカリー」。四国88ヶ所お遍路55番のお寺南光坊の向かい、森見公園の裏手にある70年近い歴史を持つ地元で人気のパン屋さんです。

「戦前に、おじいちゃんとおばあちゃんが”これからはパンの時代や！”と一念発起して始めたらしいんです」と、三代目の女将さんが話してくれました。

土曜の午後に訪れたら、商品棚のパンはすでに売り切れ。でも、次から次へとお客さんが来る・・・？？みんな、予約してパンをキープしてもらっているのでした。

「昔からあるのは、あんぱん、ジャムパン、コッペパン、そしてソフトフランスですよ」と女将さん。ソフトフランスは中にクリームが挟んであるフワフワの柔らかいパンです。「昔から、固いフランスパンは売れんのです。みんなよう噛まんのよねぇ。ほんとは固い方が、味わいがあって美味しいんやけど…」

達川ベーカリーの名物「シャノン」

“シャノン”は、糖度の高い高級バターを折り込んで焼き上げた、ちょっとリッチなパン。焼くときにバターが溶け出てしまわないように、工夫と技が要るそうです。いつもすぐに売り切れてしまうとか。若い女性客が、40個ほどどっさりと買い込んでいきました。家族4人で食べるのだそうです。達川ベーカリーにはこうしたファンが多いようです。

「”都会にいる子どもに送る”と買いにくるお客さんがよくおりますよ。食べつけたパンがいいらしくて…」

都会のパン屋にはない、粘りのある手作り風味が特徴とのこと。なんとお店は朝7時からの営業。「息子がまじめに朝2時に起きて焼きよるんです」と女将さん。後継者がいて頑張っているのが自慢のよう。朝早くからの営業なので、しまなみ海道サイクリングの朝ごはんにもオススメ。

話題が、今治のパン屋の歴史や景気の話になり、「学校の給食も、パンからご飯に切り替わってきたけんねぇ」と女将さん。場所によっては、パンはすでに週一回しかないところもあります。パン食が多かった時代とはすっかり逆転しています。「でも子どもには、お米を食べさせた方がええんよ。だって皆、朝はパンを食べよるでしょう。日本人は腸が長いけん、昼にはお米を食べた方がええのよー」美味しいパンを作り続けている自信があるからこそ言える、女将さんの言葉でしょう。

先代のおじいちゃんの、こだわり “カレーパン” もぜひ買わなくては…！

2009年取材